この会は、木の良さ、すばらしさを再認識し、人にやさしい“木の家づくり”と島根県産材の地産地消及び健全な森づくりを目的に、地元工務店と木材業者により設立しました。
木の家展示館「木のふれあい遊館」を拠点に活動しています。
木の語り部通信
#5 木表・木裏
木材は含水率により伸縮が異なります。伸縮の度合いは木の部分により異なり、そのため割れ、ソリや狂いが発生します。
ソリや狂いには、一定の方向性があります。木表は樹皮面に近い側で伸縮が大きい。木裏は樹心に近い側で伸縮が小さい。そのため、乾燥すると木表側に転ぶようになるので使い勝手が見えてきます。
昔の大工さんの建てた家は、この性質をうまく利用し木裏を外にして使っています。建物が内側に締まると同時に、あばれないための木殺し(引っ張りの強い木表を傷めることにより、表・裏のバランスをとること)になります。また、真壁造りでは赤味の多い木裏が風雨にさらされることで腐れにも丈夫です。
昔のタンスや家具はあえて見栄えの悪い木裏を見せています。100年、200年も壊れずに役立ってほしいという職人の願いが感じられます。
文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年6月27日掲載より
#6 木のあくを抜く
昔は、山で切った丸太をいかだに組んで運びました。川が最も重要な輸送手段であり、交通手段でもありました。
トラックが普及し、大変便利になると同時に、木材にとって、実は大変重要な「あく抜き」という手順を奪ってしまいました。
木材は「あく抜き」すると虫がつきにくく、腐れにくく、色も良くなります。また「水中乾燥」という言葉が示すように乾燥しやすくなります。
その昔、安来の清水の塔の原木は中海で3年、真水で3年「あく抜き」したそうです。塩分の濃い水は海の貝虫が、真水では真水の貝虫がそれぞれつきやすく、汽水が最適です。中海や昔の東京の木場は汽水ですから、大変優れた水中貯木場であったのです。
私は米松丸太は水中貯木した材を買いますが、白太の痛みも遅く、明らかに「あく抜き」の効果が見て取れます。
世の中、便利さの陰で大変重要なものを失っていく一つの事例でもあります。
文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年7月11日掲載より
