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木の語り部通信

#7 製材は、板前と似たり・前者は木をさばき、後者は魚をさばく

丸い木を角材に挽く。その挽き方は、その人の感性です。しかし、当然挽き方には基本があります。木には背と腹があり、全体を通して、曲がりの内側を(木の腹)と言い、曲がりの外側を(木の背)と言います。背と腹の見定めが大変重要です。横架材なら腹が下に、背が上になる様に木取ります。これを本木取りと言い、目切れが少ないので狂いも少なく、力のある材が取れます。
昔は、角材を見て木取りの良し悪し(技術)を評価しましたが、今では、角材から元の丸太(原木)の姿が想い描ける人は、いなくなりました。丸みが無く、寸法があればいい様です。
板前が、魚を見て素早く料理する様に、製材は原木を見て、どう挽くのか即刻判断します。しかし、鋸を入れて挽き面を見ながら変える事もあります。一本一本の木に従い最も適した材をとります。
国産の木は匂いが良く、肌もきれいです。外材は、匂いが良くなく、肌も粗いのが特徴です。狙い通りの良材が取れた時が、何よりも嬉しい時です。

文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年7月12日掲載より

#8 木とカネはブツだ

昔、私の父は、木と鉄が非常に相性が悪いということを「木とカネはブツ(御陀仏)だ」と言い、また、不都合・不合理なことを「木にカネを接ぐようなものだ」などと表現しました。
当然、木と鉄は全く異質であり、木は湿度により、鉄は温度により伸縮を繰り返します。鉄が結露しますと、水分が木を傷め、木のアクが鉄を傷めます。ですから、昔の人たちは木と鉄を合わせることを大変嫌っていた訳です。
かつて西岡常一氏(法隆寺大工)は、薬師寺金堂再建の折、金物を使う、使わないで、学者と大論争を展開しました。西岡氏は、鉄よりはるかに木を信頼していました。それは、木材は鉄より、はるかに劣化スピードが遅いからなのです。
ところで、近年、次々と新しい建築工法が誕生しております。それらの多くは、金物を多用した工法です。数年前、私は認定機関の人たちに質問をしました。「ところで、新工法の劣化スピードはどのようにして検証していますか?」その回答は「劣化スピードについては、特別検証はしていません」。
6月13日号(第4回)記載のホワイトウッドの集成材も、金物も、一体何年持つというのでしょうか?

文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年8月8日掲載より

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