この会は、木の良さ、すばらしさを再認識し、人にやさしい“木の家づくり”と島根県産材の地産地消及び健全な森づくりを目的に、地元工務店と木材業者により設立しました。
木の家展示館「木のふれあい遊館」を拠点に活動しています。
木の語り部通信
#9 両刃の剣
家ごと断熱材ですっぽり包み、機密性の高いサッシュで囲うことが、省エネ住宅として大いにもてはやされています。しかし、シックハウス症候群の問題から、今は換気扇の設置が義務付けられました。
神社や掘立小屋は、まさにこれとは反対の極みにある建物です。外とは板一枚でスカスカ、風がスースーです。しかし今後も神官は、冬のお勤めがつらいからと断熱材で包み、サッシュで囲うことは決してしないでしょう。囲ったら社は持たないからです。粗末な掘立小屋が望外に長持ちするのも、スカスカで風通しが良いからです。また、木材は薄いほど風通しが良く、反対に丸太のままが一番風通しが悪く虫や腐れに弱いのです。
昔、おので丸太を削(はつ)ったのは、風通しを良くして長持ちさせるためでもあったのです。
「両刃の剣」 建物の寿命と暮らしやすさ。あなたはどこで折り合いをつけますか。世の中のことは、なにぶんにも風通しが重要なようです。
文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年8月22日掲載より
#10 八意思兼神 (やごころおもいかねかみ)
昔、大工の弟子は、修行中に失敗しますと、親方に曲尺(指金)でピシャリと叩かれました。
四国、香川の名工・香川量平棟梁は、「二度と失敗をするな、曲尺の神様は、大変頭が良く、数字に強い神様だが、非常に短気で怖い神様だから、お前が失敗をすると、怒って、私の手を使いお前を叩かれる」と言って、大工の三種の神器の一つ、曲尺の神様について、親方から教わったそうです。2年ほど前、八雲村の熊野荘でご一緒した折、私に話してくださいました。
曲尺の神は、「八意思兼神」と言い、聖徳太子が百済の国より導入しました。そこで、大工や木挽など木を扱う職人は、太子さんと言って、聖徳太子を神としてお祭りしています。
第16回「削ろう会」が、10月23、24日に香川県坂出市立体育館で、香川棟梁の号令一下、全国各地から名工が集まり開催されます。必見です。
文・安達公一(東出雲町下意東) / 生活応援情報紙りびえ~る 平成16年9月12日掲載より
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